Education

Introduction

当講座ではオルガネロパチーをキーワードに、各種オルガネラの機能異常がもたらす神経疾患の病態解明と、ニューロンの連絡・局所神経回路・シナプス結合およびその可塑性・発生発達などの解析をテーマとして、形態学・細胞生物学・分子生物学の研究指導を行います。特に、細胞~臓器レベルの免疫電顕を含む各種超微形態学的解析を重視することが研究室の特徴で、同一細胞組織について光顕から電顕レベルまでシームレスに解析するため各種相関観察法の開発と技術指導も行なっております。希望により神経系以外の各種臓器細胞の病態解析のテーマも選択可能です。

Anatomy

「医学の初学者たちが生命に対する畏敬の念を育む」という観点において、人体の精緻な構造に素直に感動する機会をできる限り多く提供することが解剖学担当講座の使命であると考え、そのためのpracticalな貢献をして参ります。

本学ではM1の2月より基礎医学が始まり、夏休み明けまで解剖学関連科目に専念するカリキュラム構成となっております。当講座は医学部のM1・M2における組織学、神経解剖学の講義実習を担当しております。さらに解剖学・生体構造科学講座と共同で発生学の講義も担当しております。具体的な内容については以下を参照ください。

当講座では以下の点に配慮しながら組織学・神経解剖学教育を実践しております。

1) 対象の学生が基礎医学の初学者である点を考慮した科目運営

M2の前半までに、学生に継続的な自己学習の習慣を身につけさせ、成績不良者の数を最小限に留めることは、科目によらず重要であると考えております。そのために、科目内で試験を複数回実施し、成績不良者を早期にフォローしつつ、不合格者に対する再学習も促します。

2) 知識のアウトプットを重視した教育

従来型の講義や実習による学習にとどまらず、自己学習に基づく知識のアウトプットを重視しております。そのため、講義の到達目標に則る形でプール問題をあらかじめ公表し(科目全体で200問弱)、総合得点の約3割分をその中から出題します。

3) 解剖学関連科目内の水平統合を意識した講義の流れと実習

M1の組織細胞生物学では組織学総論と細胞生物学、M2には生殖器系の組織学と初期発生の水平統合を促す講義配置にしております。さらに、感覚器の組織学と神経解剖学の前半の脳幹までを1回の試験範囲として一体として学習させております。特に、マクロとミクロレベルの解剖学の知識の統合が重要と考え、組織学実習では、カニクイザルの膝や指などの運動器の標本観察を通したアクティブラーニングを行なっております。

4) デジタルコンテンツの併用による組織学実習の充実化

2012年度に学生がPCと顕微鏡を個別に利用できる形態系実習室がセンチュリータワー地下2Fに整備されました。バーチャルスライドシステムによる組織学実習標本のデジタル化を行い、ミクロとマクロを繋ぐ標本の低倍観察や自己学習支援のための環境を構築しました。このシステムは医学部学生のみならず、医学系研究科修士課程の学生や、保健医療学部、保健看護学部、医療看護学部などの医療系の他学部の学生も活用しております。

形態系実習室(組織学実習)

顕微鏡+モニター+PC

解剖学実習室

実習台+モニター+PC

ICT設備(モニター+PC)による情報の共有化

5) デジタルコンテンツの併用による新しい解剖学実習室での神経解剖学実習

2019年度に新研究棟地下2F整備された新しい解剖学実習室では、従来の解剖学実習に加えて、タブレットやモニターを通してデジタルコンテンツを活用することができます。そこで神経解剖学実習では、放射線科の協力のもとでMRI拡散テンソル解析とスライス脳標本の観察を並行して行っております。これにより、剖出前の深部白質構造の予想と、剖出により失われた構造を再度確認できる「予測とふりかえりを可能とする」新しい神経解剖学実習の展開が可能となりました。

形態系実習室(神経解剖学実習)

MRI画像の観察

解剖学実習室

脳の肉眼解剖

ICT設備(モニター+PC)による情報の共有化

「予測と振り返りを可能とする解剖学実習」

Physician Scientist

3年生(M3)の6月~7月に実施される基礎ゼミにおいて、各種オルガネラの機能異常がもたらす神経疾患の病態解明と、光顕から電顕レベルまでシームレスに解析するための各種相関観察法の開発のいずれかをテーマとして、形態学・細胞生物学・分子生物学に関する研究・発表指導を行っています。
基礎ゼミ終了前後に研究を行うことが可能です。これらの活動をさらに発展させ、基礎研究医養成プログラムに登録して研究室に所属することを大いに歓迎いたします。自らの希望により基礎研究医養成プログラム奨学金の貸与を受けることも可能です。

IntroductioSocial action programn

私立大学ブランディング事業「脳の機能と構造を視る:多次元イメージングセンター」の活動の一環として以下の社会貢献活動を行いました。詳しくは行事案内をご覧ください。

1) 徳安法(凍結超薄切片法)についての国際ワークショップを開催

Tokuyasu Workshop 2019
沖縄科学技術大学院大学と共催
開催日:2019年1月21-25日
開催場所:沖縄科学技術大学院大学イメージングセクション

2) 市民公開講座を開催

組織学実習室へようこそ〜光学顕微鏡・電子顕微鏡による多次元組織学学習体験~
第43回日本顕微鏡学会関東支部講演会と共催
開催日:2019年3月16日
開催場所:本学形態系実習室および研究基盤センター形態解析イメージング研究室